官僚のリストラ bureaucratic reform 2003 7 31
官僚が作った公益法人が問題となっていますね。
昔は、いかにうまく、公益法人や公社などを作るかが、官僚の出世の条件となっていました。
官僚というものは、課長、審議官、局長と、上に行くほど、ポストの数が減ります。
だから、ポスト争いに負けた官僚の受け皿を作る必要があったのです。
この受け皿として、公益法人などを作っていったのです。
そして、この公益法人に、いろいろな名目をつけて、補助金をつぎ込んできたのです。
こういう公益法人を作る能力も、官僚の能力として、評価されました。
まるで、国家という家に住み着いたシロアリみたいなものでしょう。
しかし、官僚だけが悪いのではありません。
民間の会社も、かつては、そうでした。
課長、部長、役員と、上に行くほど、ポストの数が減ります。
そのため、子会社を作って、ポスト争いに負けた社員を出向させました。
本社では、課長でも、子会社に行けば、部長です。
このようにして、本社の活性化を図ってきました。
ところが、このような不採算な子会社を持っていると、
今は、連結決算ですので、決算上、明白にわかります。
もちろん、本当は、会計上の対策ではなく、
会社経営の効率化を図る上で、
不採算な子会社を整理していったのです。
昔ならば、リストラされずに、
子会社に出向して、それなりの地位を獲得して、定年まで過ごしました。
しかし、今は、このような不採算な子会社はありません。
そのため、リストラされて、受け皿がないという問題が発生しているのです。
さて、官僚は、未だに、不採算な子会社をたくさん持っています。
民間企業に遅れること、十数年。
官僚の能力というものは、十数年、古い能力なのです。